夜明けの雲海 高谷山と荒谷山

広島に来てから、見てみたかった景色のひとつが雲海です。この秋、10月のうちに2つの山へ、夜明け前から足を運びました。

10月10日 高谷山(三次市)

1回目は、三次市の高谷山。標高約490mの「霧の海展望台」からは、三次盆地を覆う「霧の海」を見下ろせます。秋から早春にかけての、晴れた朝が狙い目とされる場所です。

6時過ぎに着くと、空はまだ暗く、展望デッキにはすでにたくさんの人が集まっていました。木々のシルエットの向こうで、地平線がゆっくりとオレンジ色に染まり始めます。

夜明け前の高谷山の展望デッキと、木々のシルエット

6時40分頃、遠くの山並みから朝日が顔を出すと、霧の海の表面がオレンジ色に輝きました。

高谷山から見た、霧の海の向こうから昇る朝日

日が昇りきる頃、屋根のある休憩所では、ベンチに並んだ人たちが静かに霧の海を眺めていました。差し込む朝日が、床に長い影を落としています。

高谷山の休憩所のベンチから霧の海を眺める人たち

10月29日 荒谷山(広島市安佐北区)

2回目は、広島市安佐北区の荒谷山。標高620mの山頂から、雲に覆われた町並みを見下ろせる雲海の名所です。パラグライダーの離陸場「荒谷山テイクオフポイント」になっている山頂の草地から、夜明けを待ちました。

この日は日の出前の空がとてもきれいでした。6時20分頃、オレンジから紫へと移り変わる空の下に、雲海が一面に広がります。雲の上に山の稜線が島のように浮かび、まるで海を見下ろしているようでした。

日の出の瞬間も好きですが、私がいちばん好きなのは、日の出前に空が紫色へと変わっていくこの時間です。「マジックアワー」や「トワイライト」と呼ばれる、ほんの短いひとときです。

夜明け前の紫の空と、荒谷山から見た一面の雲海

荒谷山の山頂の草地から見下ろす雲海

雲海を目の前にすると、まるで雲の上に来たような気分になりました。自分が宙に浮いているような不思議な感覚で、この世のものとは思えない景色でした。

荒谷山からの帰りの道は、さっきまで見下ろしていた雲の中を通ります。まるで濃い霧の中を運転しているようでした。三次の高谷山に比べると道が狭く、対向車との離合には少し苦労します。脱輪して溝に落ちてしまっている車も見かけました。行かれる方は、運転に十分気をつけてください。

同じ雲海でも、山が変われば見える景色もまったく違います。また霧の濃い朝に、どちらの山にも来たいと思います。

旅のヒント

【高谷山 霧の海展望台】

  • 場所:広島県三次市粟屋町 高谷山(標高約490m)
  • 車の場合:中国自動車道「三次IC」から約20分、JR三次駅から約15分。
  • 駐車場あり。展望台は24時間開放、無料です。
  • 問い合わせ:0824-63-9268

【荒谷山】

  • 場所:広島市安佐北区(標高620m)。山頂はパラグライダーの離陸場「荒谷山テイクオフポイント」です。
  • 山頂へ続く道は狭く、すれ違いが難しい箇所が多いので、運転には注意してください。
  • パラグライダーの方の邪魔にならないよう、離陸場では場所に気を配りましょう。
  • 火気厳禁です。ゴミは持ち帰りましょう。

【雲海を見るために】

  • 雲海は、よく晴れて冷え込んだ、風の弱い朝に出やすいといわれています。
  • 夜明け前は暗く、霧で見通しが悪いこともあります。ライトと防寒着があると安心です。

撮影機材と設定

機材情報
カメラ Canon EOS 5D Mark IV
レンズ EF24-70mm F2.8L II USM
撮影情報(荒谷山・紫の雲海の1枚)
焦点距離 35mm
絞り値 F8
シャッタースピード 1/10秒
ISO感度 1600
撮影環境
撮影場所 高谷山(三次市)、荒谷山(広島市安佐北区)
撮影日時 2026年10月10日、10月29日(いずれも夜明け前後)